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第455話 主攻なる助攻

信は飛信隊に配置に着くよう指示する。そして、貂に後で会うぞと言うと貂は向こう岸でと返す。また、信は緊張して固くなっている渕さんに飛信隊の力、趙の奴らに見せつけてやろうぜと拳を突き出すと、渕さんは拳を突き返し、存分にと答える。
河了貂は昨日斥候に出た羌瘣を手掛かりとしていた。羌瘣は昨日、この川を馬で渡って先に進んでおり、この川のどこかで足が届く浅瀬が対岸まで続く場所があると考えていた。岐鮑に見てもらうと読み通りそれらしい場所が二ヶ所存在した。この二ヶ所に兵を集中させて渡河を企てようとした。まずは浅瀬の幅が広い中央を飛麃、カク備兵ら屈強な兵士を集中させ、大軍とした。率いるのは隊長の信であった。
対岸から見ていた馬呈は川底の道に気付いたかと感心するが、そこは残念ながら凹地だとつぶやく。凹地とは上から見たくぼ地のことで、ここを攻めると対岸全てから集中砲火を浴びてしまうのであった。凹地を攻めるのは下策中の下策であるが、それを突き進むことにより、敵は当然大軍を投入した一点突破に見える。敵の注意が信達に集中した隙にもう一つの川底の道を貂と楚水が渡る作戦であり、こちらの対岸は凹地とは真逆の凸地のため、攻めるには上策の地であった。問題は川底の道が狭く、大軍を送れないため、上陸戦に不安があったが、そこは飛信隊の息の合う生え抜き少数精鋭で固めて挑むとした。
しかし、馬呈は予め劉冬よりその可能性を示唆されており、凸地が主攻であると見抜き、主攻部隊の頭を叩き割るため、凸地に移動する。
ところが、貂はこの二手ではこの川は攻略できないと考えており、事前に三手目を用意ていた。そこは浅瀬ではなく、真逆の底が見えない程、水深が深く流れも激流の地、かつ対岸が険しい絶壁という悪条件が重なる場所であった。しかし、悪条件過ぎてそこには敵の布陣は存在しなかった。魚の異名を持つ岐鮑はその川を命からがら泳ぎきり、対岸の岩に縄を括り付け、川に縄を張った。しかし、例え縄があったとしても、それをつたって川を渡るのは自殺行為であった。
まずは泳ぎが得意とする土南が渡ろうとするが、川の流れがあまりに強く、飲み込まれ、そのまま流されていってしまった。その姿をみた隊員は川を渡ることに怯んでしまう。そこに上流から赤い血が流れてくる。それは上流で身を呈して戦っている飛信隊のものであった。それを見た渕さんは改めて気合を入れ直し、渡河に挑戦するのであった。



貂が考えた三手ですが、どこを進んでも地獄ですね…もしどれか選べと言われたら、私なら、、、一手目かな…人が多いから後方にいれば、何とかやり過ごせそうなので
しかし、三手目が今回の鍵となる策ですが、仮に渡河がうまくいったとしても、渡れるのは数十人というところでしょう。正直、飛麃でもカク備でも飛信隊生え抜き少数精鋭でもない隊がどこまでできるのか甚だ疑問を感じますね…
貂のことですから、もちろん渡河の後の作戦も与えていると思いますが…
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