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第452話 強襲の成否

初日の激戦から一転、静寂に包まれる黒羊の夜。趙の陣営は誰も破ること能わぬ堅牢なる陣であった。陣には幾人もの見張りがおり、近く者は例外なくその監視の網に引っかかるのであった。
しかし、羌瘣はその網を抜け、陣の中心の高台にある劉冬まで辿り着く。劉冬は偶像を額に付け、祈りを捧げていた。劉冬は羌瘣の気配を察知し、誰だと問う。羌瘣は劉冬の姿を見て、偶像崇拝か、軍の将にしては珍しいなと言う。そして、命を貰うぞ趙将と剣先を劉冬に向けた。
劉冬は妖の類か呟き、この陣に忍び込み、寝所まで来れる者がいると思えない、しかも女でと驚きを隠せないでいた。羌瘣はここにいるとだけ返す。劉冬はそうだなというものの、火に照らされた羌瘣は人ならざる者に見えたと話す。羌瘣は偶像にすがっているから、そう見えるのだと言い捨てる。劉冬は偶像はすがるものではなく、奮わせるものだとし、羌瘣に自らの命を賭して守るべきものを持っているかと尋ねる。羌瘣はむかし唯一のものを失くしたが、今は別のものを持っていると言い切る。
劉冬はそれを聞き、腰を折って悪かった飛信隊副長羌瘣と言い、事前に持っていた情報から羌瘣の正体を突き止める。さらに、副長自らの無謀を決意の深さの表れとし、敬意を払うが劉冬も倒れられぬ理由がある、秦軍を黒羊の先へ行かすわけにはいかんとし、剣を抜く。そしてその剣で、かがり火を払い落とす。それを下にいた兵士が見て、異変に気付く。
羌瘣は劉冬のその行動を元に突撃を開始する。羌瘣の足の速さは増していき、一気に最高速度まで上がる。しかし、劉冬と羌瘣の間に、ちょうど首の辺りの位置に糸が仕掛けられていることに気づく。速度の上がった羌瘣は直前で首を上げ、皮一枚切るものの、何とかかわす。しかし、体勢は大きく崩れ、劉冬の一振りを剣で防ぐものの、肩に喰らう。劉冬のさらもう一振りするが、それは舞い上がり、逆に左肩に一撃を喰らわせる。
しかし、羌瘣は体勢が崩れたまま、舞い上がったため、体を偶像を置いてあった棚に強くぶつけ、体が宙に浮いた。劉冬はその好機を逃さず、羌瘣の胸をめがけて一刀を振り下ろす。それを喰らった羌瘣は高台から落ちていった。




まさか羌瘣が隠密行動で返り討ちを喰らうとは…信じられない気持ちでいっぱいです。しかも、劉冬の一撃を喰らって、落ちていったことと、敵陣のど真ん中ということを考えるとまさに絶体絶命といえる状況でしょう。
しかし、劉冬が糸を仕掛けていたというのは何でなのでしょうかね…あれだけ万全な陣営なのに羌瘣の情報を元に暗殺があるかもしれないという推測で罠を仕掛けていたとも思えず、、、、偶像のお告げの方がまだリアリティがある気がしますが
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