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第414話 三方ゆずらず

太后の呂不韋という叫び声が式典内に響くと同時に伝令が昌文君の元に現れる。式典の最中ではあったが、その内容は緊急を要していた。毐国軍と思われる兵三万が函谷関をすり抜け、北道より咸陽に迫っているというものであった。

北道では嫪毐率いる毐国軍と秦軍が相対していた。毐国軍は玉印が押された通行許可証を提示し、秦将に対し、軍を通すよう命令する。しかし、秦将は北道を預かる身であるため、いかに玉印の命といえどもすぐに通すことはできないとし、咸陽に確認中であることを告げる。樊於期の息子はどのくらいかかるかと問うと秦の武将は半日くらいであると答え、さらに毐国軍が旗を上げずにどこの軍かわからなくしている状況に対し、そのことを問い正すと樊於期の息子は秦将をいきなり斬り捨てた。そして、毐国軍は秦軍に対して、突撃を始める。樊於期の息子は樊於期に対し、始めるのが早すぎたかと聞くと半日で往復であれば咸陽は目と鼻の先であり、前哨戦としてはちょうど良いと返した。嫪毐は戦が始まったことに驚くが、側近は秦軍三千に対して、毐国軍は三万であり、すぐに終わるとし、さらに多少軍が削られても、アレさえあれば軍は直ぐに復活すると話した。

加冠の儀の式典は急報により静まり返っていた。呂不韋は毐国から分散して発った兵は総勢一万であり、三万という軍勢との不整合性に疑問を感じていた。そこに政が玉璽の複製だと言い放つ。昌文君はその一言により、太后が複製を製造し、それにより軍を興すという蛮行をしたと判断し、太后を睨みつけるが、太后は昌文君に対し、毐国の君主は嫪毐であり、反乱も複製も自分の知るところではなく、何か関与した証拠でもあるのか無礼者と吐き捨てる。
昌平君は玉璽の複製の話が本当であれば事態は深刻であると話す。偽の玉璽が効力を発揮するのであれば、毐国は咸陽を落とし、中枢を押さえれば、秦国中から際限なく兵を興せるからであった。
太后は呂不韋を睨みつけ、咸陽陥落後は蒙武を使って反乱討伐の算段であったであろうが、数では毐国が勝つ、ただで踊ると思ったら、大間違いだぞと心の中で毒付いた。
呂不韋はそれはそれで面白いと感じており、二人の総決算を派手にやろうと感じていた。呂不韋は政を見据える。待ちに待った加冠の儀で実の母主犯による反乱で咸陽に抗う術はなく、王族もろとも死を迎えなければならない状況に同情していた。呂不韋は政のことは嫌いではなかった。初めは遊び相手にもならなかったが、いつの間にか想像以上に成長を遂げ、権勢争いがこれほど熱を帯びるとは思っていなく、好敵手として十分に楽しませてくれたと感じていた。名残惜しくもあるが、最後の幕は自らが降ろすとし、呂不韋は口を開く。毐国反乱軍が函谷関を抜け、咸陽に迫っており、国家存亡の危機であるため、加冠の儀はここまであると会場全体に宣言する。しかし、政は勝手に中断するな呂不韋、加冠の儀は最後までやると言い切る。




かなり複雑な状況になってきましたね。しかし、政の最後の一言はまだ大王側も秘策があるということでしょう。呂不韋が加冠の儀で何かしてくることを予測し、密かに飛信隊を配置しておいて、咸陽の護りを厚くしていたとかですかね。しかし、補給が可能な三万の軍勢であれば飛信隊五千では苦しい気もするので、そこは蒙恬と共闘する形が望ましいと思います。
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コメント 14

クリリン

いよいよ毒国反乱軍が咸陽まで迫って来ましたね…一度辛酸を呂不韋から味わった太后が偽玉璽を使ってあそこまで兵を太らせていたとは予想外でした。(戦は兵の多寡ではないといえ)呂不韋も政の事をライバルとして認めて今まで戦ってきた事も「ほ〜意外だなぁ」と感じつつ、「私はあなたのことが嫌いではなかった」とありましたが、そこは納得しかねますね正直…ともあれ、この火急事に政が何の対策も用意していない訳がなく(玉璽の複製も冷静に見抜いていた)やはり昌平君もその対策に関わっているものと考えますただ、その対策が具体的に何なのかは未だ想像がつかないですが、次号の政の言葉を早く聞いてみたいです。
by クリリン (2014-12-18 07:44) 

無忌

政はどこまで読んでいたんですかねぇ
ここからどう対処していくのか楽しみです
by 無忌 (2014-12-18 08:18) 

名無し君

政が加冠の儀を最後までしようとするのは、「五年後俺の最初の号令で出陣する将軍はお前だ、信。」という約束を果たすためじゃないでしょうか?信が将軍に任命されて叛乱軍討伐に出陣する事になったら熱い展開です!
by 名無し君 (2014-12-18 11:25) 

ダムダム

面白い展開になってきましたね!
楽しみです。
今の政を見ていると、どんな事でも跳ね返すオーラがありますね[ぴかぴか(新しい)]頼もしいです。
蒙武は、こんな内争いに興味はなく、呂不韋の命令に従わないのでは…。
by ダムダム (2014-12-18 14:32) 

しゅうしゅう

樊於期はこんなことしたから後に政から過酷な命令を受けることになるのでしょうかね。
by しゅうしゅう (2014-12-18 15:02) 

ハルト

太后も抜け目ないですねぇ
呂不韋からすれば、自分のペースに持っていこうとした計画を乱され、彼女の息子がさらに流れを遮る形に。政が2人に対してどうでるか、ますます目が離せません!
個人的には、咸陽での戦いになる前で、蒙武+飛信・楽華・玉鳳の若手3隊との共闘を見てみたいのですが。。。
by ハルト (2014-12-18 21:47) 

NO NAME

飛信隊5千羌瘣隊3千の合計8千なので3万なら倒せると思います。
by NO NAME (2014-12-19 00:20) 

やすべぇ

呂不韋がんばれ!
by やすべぇ (2014-12-19 01:06) 

shoo-kun

昌平君の暗号が分かるのはテンとモウキ。これまでの組合せから飛信隊と楽華隊で呂不韋の陰謀を逆手に取るべく昌平君と昌文君の戦略で10万規模で鎮圧?信の将軍デビューか?
by shoo-kun (2014-12-19 08:27) 

徐福

表紙に信と羌瘣が登場で出番ありかと思えば
今回も出番なし。。。狐と狸の化かしあいにあきれる
政。。。作者の史記の新解釈を楽しみにはしてましたが、主人公らの出番があまりないのは不満です。
次回はせめて儀式を終わらせ、政が甲冑をつけて
王自ら迎撃に出陣なんて演出がほしいです。
by 徐福 (2014-12-20 07:35) 

壁

いよいよ、政の号令で将軍信の出陣なのでしょうか?
by 壁 (2014-12-20 20:20) 

槍術使い

少し考えて気付いたのですが、
今回ヤンジャンの表紙。
久々のキングダムが表紙飾っていてとても嬉しかったのですが、
「お、信の剣がオーラ放ってる!!」
あと信がもう片手に、あきらか王賁の槍を握っていますね!(勘違いですかね?…使い込んでる矛?)
もしかしたら この三人衆が今回の、keyかな

思いました!( ̄∇ ̄*)ゞ
by 槍術使い (2014-12-21 01:28) 

キングダム

これはサイでの決戦を政が考えた一言ですね。多分。そこで信に号令を出す1万の軍としてっていう感じですかね。
by キングダム (2014-12-21 19:24) 

ナカヤマ

表紙がキングダムなのが嬉しいところです!
そして~信と羌瘣の活躍が早く見たいです。
by ナカヤマ (2014-12-24 15:22) 

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