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第413話 祖霊の声

めでたき加冠の儀の一方、国門函谷関を抜け、咸陽に迫る毐国軍。咸陽の城壁の上では咸陽の護衛という名目で、毐国軍を通すものの、その数の多さに衛兵達は戸惑っていた。しかし、函谷関を任されている角英は玉印の指令は絶対であるため、止めるわけにはいかないと素通りさせる。

一方、雍では政の加冠の儀が始まっており、ちょうど政の頭に冠が被されたところであった。その光景は神々しく、まるで政の周りだけ時が止まったようであった。そして、霊廟の御前にて、嬴政は晴れて帯剣し、加冠されたことが承認され、第31代秦国王が誕生した。そのことに会場は大いに湧き、昌文君や壁、瑠衣は涙を流して喜んだ。また政には祖霊達の祝福の声が聞こえたのであった。
呂不韋は敵である自分でさえ、少々胸にくるものがあると感じていたが、このキ年宮の中で全く何も感じていない人物がいることを見抜いていた。それは実の母である太后であった。太后は毐国軍の動静が気になっていた。今、キ年宮で騒ぎになっていないということは偽の玉印で函谷関を通り、咸陽に迫っており、今のところ、作戦がうまく進んでいるということであった。しかし、太后は順調にことが進みすぎていることに逆に危機感を覚えたのであった。太后が雍に入った時でさえ、秦は隠し子の件に激怒している様子も全くなかった。もし、秦が認識していないとすれば太后は踊らさらていることになり、それで得をするのは呂不韋であると太后は気付いたのであった。太后は目の前に座る呂不韋を睨みつけると呂不韋はいかにもと返答した。呂不韋の作戦は毐国に咸陽を攻めさせ、王族を一人残らず虐殺し、さらに雍にも攻め入り、加冠の祝いの最中に政を惨殺することであった。反乱軍には呂不韋の息のかかったもの達もおり、そのような手筈になっていた。反乱軍が咸陽と雍を蹂躙した後、呂不韋が蒙武を従えて反乱軍を討つ。そして、王族が全て姿を消した秦国民が拠り所は呂不韋において他にいるはずもなく、これで呂不韋は秦の全てを手に入れることになるのであった。
太后は呂不韋の画策の全てを察知し、式典の最中、呂不韋と叫ぶのであった。



やはり、今回のことは全て呂不韋の画策であり、これが大きなカラクリだったんですね…恐ろしいほどの策士だと思います。
しかし、咸陽は危機的な状況でありますね。昌平君はきっとそれを察知して、飛信隊に緊急の伝令を送ったのでないかと思います。しかし、飛信隊は大王側というのはわかっていることで、函谷関を通ることはできないため、救援に駆けつけられるか不安です。蒙恬も昌平君の学校を卒業しているので、ぜひ飛信隊と一緒に登場してほしいですね!

呂不韋の最大の目的は自分が王になること、一方昌平君は中華統一であることから、昌平君は呂不韋に反旗を翻して大王側に協力してくると思います。
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クリリン

一応、加冠の儀が何事もなく終わったのはよかったです(亡き成蟜と歴代秦王?らの天からの祝福はジーンとくるものがありました)…にしても呂不韋は終始徹底して自分の手は汚さぬまま、あらゆる階級の人間を利用する様には読んでいて「くそぉ〜」と思いましたね(特に太后が呂不韋に対して「・・・お前か…」と言った後にすかさず呂不韋が「いかにも」と自信満々に答えたシーンは笑ってしまいました。
ただ、これほどまでに人を散々利用する人間がハッピーエンドという事はないでしょうから遅かれ早かれ呂不韋も身内に裏切られる日はくるでしょう。(角英・樊於期らすら駒に過ぎないとはそれはそれで残酷…)
by クリリン (2014-12-11 07:18) 

トーマス

昌平君が離反するということは蒙武も当然、昌平君についていくでしょうから、呂不韋の計画はうまくいかないでしょう。蒙武自身は対楚戦線から動けないでしょうから、蒙恬あたりがくるんじゃないでしょうか?
by トーマス (2014-12-11 19:57) 

堯

呂不韋は相変わらず、恐ろしい程狡猾な男ですね。

加冠の儀の際の先帝達の声が聞こえて来た所に胸が高まりました(*´ω`*)
by (2014-12-13 20:10) 

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