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第425話 正しい感情

宮殿深くまで入り込み、殺戮を恣にする反乱軍。大王の子が篭る後宮まであと僅かのところまで来ていた。城外の戦いでは戎翟軍が鎮圧軍を押し返しており、反乱軍優勢となってきていた。
戎翟はその矛を振るい、暴れ回っていた。尚鹿は戎翟の強さに驚き、圧倒されていた。戎翟は尚鹿と貂に向かい、この時が来るのを百年待ったと話す。百年前、戎翟は秦に征服され、糾合された、秦としては田舎民族の一つかもしれないが、戎翟としてはそうはいかなく、祖父達が受けた不条理を倍にして返しているだけだと吐き捨てる。

信は後宮を目指し騎馬でひた走る。そこに二人の王宮警備隊と出くわす。信は飛信隊であることを名乗り、後宮までの近道を聞くと、一人の警備兵はあそこの建物の脇道だと言い、信の意識がその建物に向くと、もう一人の警備兵は隙のできた信の脇腹に刃を突き刺した。さらに城壁に弓隊が現れ、信に対して一斉射撃を行う。しかし、間一髪のところで田有が身を呈して信を護った。田有の背中には無数の矢が突き刺さっていたのだ。

呂不韋と相対していた政は明らかに顔色が悪くなっていた。政は呂不韋の後ろに数多くの亡霊の手を見ていた。
政は呂不韋のやり方では戦はなくならぬと話す。呂不韋はそれを認め、いかなるやり方でも人の世から戦はなくならないと断定する。それは武器商人として、広く戦を見てきたからであった。命懸けで戦う者達の思いはそれぞれであり、大義のために戦う者、仲間のために、愛する者のために戦う者、私利私欲のために戦う者、復讐を果たす者、しかし、誰も間違ってなく、どれも人の持つ正しい感情からの行動であり、だからこそ堂々めぐりになる、復讐心一つをとってもそれを無くすのは至難の業である、邯鄲でそれを味わった大王であれば十分承知でしょう、戦争はなくならないと話す。
政はさらに多くの亡霊の手を見て、混乱しそうになるが、そこに何処からか大丈夫ですと言う声が聞こえる。さらにあなたなら力強くそうでないと言えるはずと語りかけてきた。その時、政は紫の玉の光を纏っていた。



語りかけてきたのはきっと紫夏さんですね。復讐は復讐を生むが、必ずしもそうではないと身をもって経験した政が言い切るのであろうと思います。呂不韋を論破するのが楽しみです。
しかし、田有さんは心配ですね…きっと身体が丈夫なだけが取り柄だと言って、回復することを祈ってますが…
信の怪我も心配です
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クリリン

「因果は巡る」といいますが、秦と戎翟はまさにそれだと思いました。(同時に人の恨みの深さも感じた)信達も一目散に後宮を目指すが呂不韋側の兵に阻まれ何と田有が深手を負ってしまうとは…(この状況、どう打開するのか、明らかに田有は重傷だし…死なないでほしい)
前号の柱にしがみ付く手の正体は怨霊だった訳ですね。政からすると忌まわしい光景か、呂不韋も真理を説いてはいるが次号でいかに政に論破されるか楽しみですね(懐かしい紫夏さんの言霊からヒントを得てほしいのと、田有の身が心配です!)
by クリリン (2015-03-26 08:23) 

田有大丈夫かな、、、

何か強い援軍が来ないと雲行き怪しくなってきましたね。
by 田有大丈夫かな、、、 (2015-03-26 09:32) 

お名前(必須)

言霊から平静を取り戻し、政の演説が始まりますね。咸陽もかなり危機感を思わせる形勢。ベタな展開ですが、ここからの攻勢をどう描いてくれるのか楽しみです。全体的に互角から劣勢気味の中、立てなおすにはやはり、今回功を挙げるであろう昌平君、昌文君の活躍次第。さすが軍総司令っていう流れになって欲しい。
by お名前(必須) (2015-03-26 11:31) 

堯

今回も、息の詰まるやり取りでしたね。呂不韋の言ってる事も正しいと思いますが、それを経験したからこその政の言葉で見事に論破してもらいたいです。

田有さんの負傷は気がかりですが、無事であって欲しいです。
by (2015-03-26 14:06) 

さく

田有さん、好きなキャラなだけに死なないでほしいけど、流石にあれだけ矢を受けて死なないと言うのは無理がありすぎますよね~。
by さく (2015-03-26 21:39) 

N村

きょうかい はどうしてる?_
田有さんは生きてて欲しいな
 
 ほうけんに最初に襲われた時、田有さんがきょうかいを抱いて逃げましたよね?
 
 きょうかい 今こそ、出てきてほしい。政は紫夏さんがあの世からしっかり守ってるから大丈夫だ
by N村 (2015-03-26 21:58) 

とある羌瘣

誰か重要な人が死ぬ予想って田有…ちがうわっ
後宮が手に落ちてるみたいだけど
やっぱり女性二人を逃がしたのって…
騒ぎは目眩ましで後宮でひっそりやろうとしてないかな
羌瘣は戦場に残されてきてるはず(副長で将だし)なので
この反乱が終わったら大きな武功上げてたりしてね…
やはり私はここでの政の発言で母がどういうふうになるかだと思うんだけどな
母に対して変われていないという発言が伏線なような気がするし
外交じいちゃんも早く大きくなりなされ、私は強い方に着くと言ってたし
政の宣言で大きく変わると予想
by とある羌瘣 (2015-03-27 13:55) 

通りすがる

強い将軍・・・蒙武将軍?
by 通りすがる (2015-03-29 01:10) 

徐福

指は呂不韋につきまとう亡霊たち。。。
政には紫の光?。。紫夏が政の守護霊?

田有は竜川とともに蕞で重傷を負っても
数日で復帰。。
あと不死身といえば楚水。。。何回瀕死の重傷
を負っても復活してくるし。。。。

信は伏兵にやられたくらいでは死なんでしょう。

何か強い援軍?強い将軍?
やっぱ政の最大の同盟者楊端和でしょうね。。(そろそろ
楊端和ファンは表舞台にでてくる姿を見たいでしょうし、
どこに大軍を潜ませているんだろうか?)
by 徐福 (2015-03-30 23:16) 

沸騰

援軍となると、やはり昌平君らですかね。。蒙恬にも出て来てほしい。。
蒙きとセットでの戦いも見たい。。
by 沸騰 (2015-03-31 01:47) 

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人の持つ本質は光、、か
うーん納得です
by お名前(必須) (2015-04-01 13:55) 

不良胃

通貨がまだ、穀物そのものであった時代の話なので漫画の呂不韋の様な考えを持つ者はいなかったでしょうね。そもそも商業とは土地を持たない殷「商」の遺民たちが仕方なく始めたもの。近世に入って清の人が江戸に来たとき、乞食が銭をねだっているのを見て驚いたくらいですからね。穀物、土地こそが貨幣の時代
by 不良胃 (2015-04-01 19:56) 

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