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第411話 雍に集う

飛信隊は戦場で敵を蹴散らしていた。敵が後退し始めたのを確認すると信は本陣にいる貂の元に向かった。今回は隆国軍と並走して、垣と蒲陽を攻め落とす作戦であり、遂行の迅速さを求められていた。貂の元に信が現れ、敵を後退させたことを報告すると、貂はその進軍の速さに驚いた。貂は口うるさい隆国から解放されて信は絶好調だと喜び、信はその通りであり、敵が守りを固める前に本陣を前に進めるとし、貂は信と羌瘣は千の別働隊で敵の奥地まで進行させる考えを話す。信は別働隊で千の規模であることに隊の成長を感じていた。
そこに咸陽の総司令からの伝令が現れる。伝令は急ぎとのことで、馬をかえつつ昼夜を走ってきたが、その伝令書の封が割れてしまっていたのである。伝令は途中で一頭脚を折って落馬した際に破れたのではないかと反省し、そのことが明るみになると伝令の職を解かれてしまうため、総司令に内密してほしいと貂に請う。貂は仕方ないと言い、伝令書の中身を読み上げる。そこには垣城を攻める際は黒道を選ぶこと、天候に気をつけること、垣の以降攻略すべき城が記されていた。信は咸陽にいるのにこちらの道や天候などわかるはずがないと疑問を挟むが、貂は先生は凄い人だからわかると反論した。
信は咸陽という言葉に政の加冠の儀を思い出す。あと十日と差し迫っている状況であった。

雍は咸陽よりさらに北西の奥地に三百里に位置しており、秦国の旧王都であった。六代から十九代まで三百年間王都をつとめた城であり、城内はすでに、秦国の最初の国色である青一色に染められていた。それまで古都として静かだった都は人と物であふれ、また異様な緊張感に包まれていた。それは無論、雍で加冠の儀が執り行われるからであった。
政は雍に降り立つ。政が雍に来るのは九年振りのことであった。
そこに一台の御車が突然政の前に現れる。そこには太后が乗っており、政の前に降り立つ。昌文君は太后の姿を見て驚き警戒するが、太后は実の母としてきており、騒ぎ立てるなと言う。太后は久しぶり見た政に大きな成長を感じていた。
それを遠くからみた呂不韋はいよいよ二十三年前の奇貨の実りを回収する刻が来たと考えていた。



昌平君からの指令ですが、封が割れていたことが気になりますね…伝令は明らかに怪しい目をしていたので、何らか意図があるのを感じました。考えられるのは中身を盗み見ることだと思います。
私の考えでは昌平君は飛信隊に対して何か意志を伝えたかったと思います。ただし、昌平君は呂不韋の監視下にあるため、伝令書を盗み見られる可能性を感じ、暗号化したのではないかと思います。表向きは道や天候などを記載しているが、実は昌平君の門下生にしかわからない裏の意味があるのだと思います。その裏の意味は昌平君は政の危機を飛信隊に知らせ、助けに来させようとしたのではないかと思います。

先週、ドイツ出張があるため、11月27日のブログ更新が遅れること申し上げましたが、ちょうどキングダムが来週休載になってしまいましたね…
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クリリン

信の成長、冒頭からめざましかったですね〜…敵援軍の大軍を軽く蹴散らせるとは流石は若き五千将。おまけに別働隊が千とは、もはや旗揚げ時代とは比べものにならない程の「三軍」の一軍に値する軍隊に仕上がったと思いました。(相変わらず昌平君の戦略眼は卓越してましたね…いや〜流石です)そしていよいよ政の「加冠の儀」が旧都・雍で執り行われる訳ですが、初めて雍の治世の歴史と色と特色が解って勉強になりました。…にしても呂不韋の言う「二十三年前の奇貨の実りを回収」ってやっぱり式典前後の襲撃か、それとも別に大きな狙いがあるのか?来月号が楽しみです。
by クリリン (2014-11-20 09:02) 

無忌

伝令はほぼクロと見て良さそうでしたね
総司令は暗号でテンに何かを伝えたようなので加冠の儀が楽しみです
by 無忌 (2014-11-20 14:13) 

キングダム

昌平君と貂が知っている伝令役は確かに怪しい顔していましたね~( -。-)←こんな顔してました。
盗み見て呂不韋に情報を流したか。そもそも手紙を送ってないということは~まあ~ないですかね。
by キングダム (2014-11-20 20:26) 

徐福

長信侯毐作亂而覺,矯王御璽及太后璽以發縣卒及衛卒、官騎、戎翟君公、舍人將欲攻蘄年宮為亂。王知之,令相國昌平君、昌文君發卒攻毐。戰咸陽,斬首數百

昌平君、昌文君の発する軍に、かなり遠方で交戦中の信がどうからむのか?(壁将軍の部隊でなく千人別働隊が鎮圧の目的の部隊なのか?楽しみですね)

by 徐福 (2014-11-21 05:59) 

ハルト

暗号とは考えてもなかったです;伝令の中身をすり替えて、都合のいい場所におびき出す作戦かな~と。考えてみれば昌平君直筆でしょうから、そんなことできっこないですよね^^;
上の方もおっしゃってますが、遠方にいる信が加冠の儀にどう関わってくるか、これからの展開が楽しみです。
by ハルト (2014-11-21 19:02) 

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