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第406話 別れ

呂不韋と太后は対面していた。そこでは人払いをし、二人以外誰もその場にはいなかった。少しの沈黙の後、呂不韋は口を開く。呂不韋は棘だらけだ、棘が刺さり続け、その痛みで出会った二十一年前の光輝く面影は消え去った、邯鄲の宝石はもはやはるか昔の話だと言う。太后はどの口が言ってんだよお前と返すが、呂不韋は他人のせいにするな弱き者、愚かな者は食われる時代である、しかし、太后が望むのであれば刺した張本人として、その棘を一つ一つ抜いてやらぬこともないと言う。しかし、太后はいつまでも自惚れてるんじゃねえ、今さら頼みとすることは一つもない、だから咸陽を出て毐国を作った、好いた男と好き放題やって、ここで暮らすと言い放つ。しかし、呂不韋は嫪毐が好いた男かとと問い、燃え上がったかつての二人の大情炎に比べてれば今の逃避行など豎子の戯言に過ぎぬと切り捨てる。太后は返す言葉に窮し、さっさと使者としての用件を言うように急かす。しかし、呂不韋は政治的な話ではなく、恋人としての別れ話をしに来たと言う。呂不韋はこれが本当の別れとなる、太后の心内はともかく、呂不韋自身の心はずっと太后のもとにあった、前王に太后を献上した時、趙に置き去り見殺しにした時、変貌した醜悪さに眉をひそめた時も、舞台で美姫を見た時から、変わらずずっと太后を愛していた、後にも先にも真に心を奪ったのは太后一人だと言い残し、その場を立ち去る。太后は何なんだあいつはチクショウと心を掻き乱され、悔しがった。
呂不韋は立ち去る中、さらにこれからより恨まれることになろうとも、最後まで太后のことを愛していると思った。

毐国と楚軍の侵攻で揺れる秦は著雍にて簡易的ではあるが、論功式典が執り行われる。そこで騰は蒙武に次ぐ秦国二人目の大将軍に任命された。



呂不韋の発言に複雑な気持ちになりました。今回、呂不韋は純粋に太后のことを愛し続けていて、最後の別れを言いに来たとしても、自分が成り上がるために道具して使ったことは事実であり、ちょっとどうかなとも思います。しかし、別れた後の呂不韋の思考が気になりますね…きっと以前言っていた大きなカラクリに繋がるものではないかと推測します。

騰が大将軍に任命されましたね!とても喜ばしいと思います。信と王賁もどうかるか気になりますね〜二人とも魏火龍を倒しているので、将軍もあり得るかと!
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コメント 7

クリリン

…やれやれ、呂不韋という男は真に中華一喰えない男と思う回でした。今回ばかりは何を企んでいるのか全く見当がつきません。(ある意味荘襄王の存在さえ無ければこの棘の悲劇は無かっただろうに)隆国の言う通りまだ早い段階で騰は大将軍に任命されててもよかったと思いました。この流れで信・王賁共に五千将に昇格してほしいです(火龍二将の首なら妥当なはず)
by クリリン (2014-10-16 07:17) 

槍術使い

ザ・振った話
でしたね(^-^)正直リョフイがこんな考えを心に宿してたとは。
まだ読み返してないですが、舞台に魅入ってる若い頃のリョフイって写ってました?
大后は昔めっちゃ純粋そうなお姿でしたけど、次ページの変貌はw

信たち いずれかの昇格かな?思ってましたが、騰でしたね!!一層張り切って
ファルってほしいです!
by 槍術使い (2014-10-16 11:19) 

謄

なんだか、太后も
呂不韋も腹立つ
相手だけど
やはり、どんな悪人でも
別れ話なんだか
切ない気がしました。
謄はやはりという感じがしますね!
蒙武より先に大将軍に
なると思ってたけど
意外でした!
私もようやく大将軍です!
ココココ、コケコッコ
by (2014-10-16 21:52) 

贔屓

いつの世も、異性絡みで、人生は大きく変わるもんですよね。
体で魅了し、心を奪う!
女は両方の意味で長い者(モノ)に巻かれるもんです!(経験談多少あり(笑))
騰の次席将軍はだれなんでしょうか?
by 贔屓 (2014-10-17 11:08) 

りんこ

人生かけた変人なりの愛し方だったのかな、生涯自分についてこれるのはこいつだけだと初めてみた見た瞬間から感じて。
商眼もここまでかな
もしかしたらエイセイの脱出さくせんもタイコウさん目的あったかもね
by りんこ (2014-10-17 17:34) 

徐福

論功行賞で信王賁が将軍の列に列せらるのか?
飛信隊の部隊編制は?
信が
百人将時副長渕、羌廆
千人将時副長渕、羌廆、楚水、百人将田有、竜川
三千人将時副長渕、羌廆、楚水、千人将岳雷、百人将田有、竜川
四千人将時副長渕、楚水、千人将岳雷、羌廆(副長兼務?)、百人将田有、竜川、
※岳雷副官我呂の扱いは?
かく備兵、飛ひょう以外は飛信兵?

常備兵である士族と志願兵・徴兵の農民兵の振分けでどうなんだろうか?

指揮系統が複雑でなかなか描き切れないなあと思ってます。

by 徐福 (2014-10-18 06:12) 

NO NAME

呂不韋のひねくれぐあいがよく見える一話でしたね。
ただこの男、政のことをいったいどう思ってるんだろうか?

この時代の話として「嬴政の実の父は呂不韋だった」という説は結構有名ですよね。
でもキングダムの中では、今のところうわさ話としてすら全く出てこない。
私の勝手な思い込みですが、これって伏線なんじゃありませんかね?

呂不韋の政に対する態度を見ていると、なにか自分を乗り越えていく息子の成長を喜ぶ父親の姿が垣間見えるような。
「実はですな、大王様。私はずっとあなたを息子と思ってきたのです。そう、後にも先にも、我が子はあなただけなのだと」ぐらい言いだしてもちっともおかしくなさそう。

まあ、そんなことを言われてしまったら、太后同様に政だってたまったモノじゃないでしょうけど。

by NO NAME (2014-10-20 14:21) 

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