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第509話 矛の継承者

ついに戦場で放たれた強大なる力。信の手によって再び振るわれた王騎の矛は次々と趙兵を蹴散らしていく。その勢いは凄まじく、信が矛を振れば周りにいる趙兵は皆真っ二つに斬り裂かれたのであった。
尾平はそれを見て、信は将軍の矛をすでに使いこなしていると驚くが、羌瘣はよく見てみろと注意を促す。尾平は信の動きを改めて注視すると、信は豪快に振り遅れており、趙兵の攻撃を身に受けていた。信はこのクソ矛重すぎだろと叫ぶ。
信がもたついている間にシュンメン達山の民が城内に雪崩れ込む。我呂はボケッとしていると手柄を全部持っていかれると焦る。信は城門落としてもらっておいて中までやられたら、飛信隊が加わった意味がないと言い、中を制圧して城主を捕まえ、列尾を落とすと豪語する。

王賁率いる玉鳳隊が列尾に到着するとすでに列尾は秦軍に落ちていた。開戦してから半日も経っていなかった。
関常は望楼の上に気づき、王賁に伝える。王賁はすでに気づいており、その視線の先には望楼の上に旗を持った信の姿がいた。

趙国門列尾は陥落し、秦軍連合軍が入場する。蒙恬は何もしていないのに入れてもらって申し訳ないねと呟きながら入る。貂は渕さんに重傷者の手当てと動ける人間を信、羌瘣、楚水に集めるように指示する。尾平は一息ついたばかりであり、このまま宴だろと文句を言うが、貂は列尾はここからが忙しいと教える。
そこに貂の横に王翦が通る。王翦は部下に次々と城内の様子を解明させるべく、指示を出す。王翦の部下は飛信隊に対してご苦労だった、後は我々がやるため、指示があるまで待機しておけと命令する。
貂は秦軍は今この時から列尾を秦の城として、しっかり守らなくてはならなく、列尾城の全容を隅々まで把握する必要があったのだと言う。王都圏への突破口列尾をうまくこじ開けたが、鄴攻めが本命の秦軍にはこの列尾が呼吸口となり、兵站を繋ぐために確保し続けなければならなかったのである。

列尾までおよそ半日の赤馬丘では公孫龍が軍を走らせていた。そこに伝令が現れ、列尾陥落の急報が入る。それを聞いた部下達は城を手なづけていない間に取り返すぞと意気込むが、公孫龍は全軍停止させ、さらに反転し、前線を陽土まで退げて布陣すると指示を出す。部下は列尾を見捨てるのですかと言うが、公孫龍は落ちたら落ちたで奴らを術中にはめるまでだ、列尾には李牧が施した策が秘められていると語る。
そして、その時列尾ではまさに公孫龍が口にした李牧の施した秘策の存在に王翦だけが気づいていた。王翦はこの時、昌平君が練り上げた鄴攻めの戦略が音を立てて崩れていくのを感じていた。




まずはブログの更新が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。どうしても外せない私用がありまして、更新ができませんでした。

李牧の施した秘策とはなにか。
何となく、列尾が呼吸口として機能しなくなるということかなと思いますが、具体的には想像できないですね。
しかし、その存在に気づいた王翦はこの後どうするのか。知能の戦いになると思いますので、楽しみですね。

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