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第503話 火急の鳥

中原を東西に割るようにそびえる太行山脈では伝令の鳥が邯鄲に向かって、数多く飛んでいっていた。それは李牧からの伝言であった。
それを受け取った邯鄲では焦りが走り、公孫龍が急遽呼び出されることとなった。

老臣は入浴中の悼襄王に謁見し、李牧からの伝言である邯鄲の軍を興して列尾に送り、秦軍の進入を妨げるという旨を進言するが、悼襄王は邯鄲の軍は王を守るためにあり、王が邯鄲にいる限り、軍は王都を離れることはないと切り捨てる。
悼襄王は邯鄲の兵を使わずとも鄴を始め、周辺の城から集めれば大軍となり、それで十分であろうと諭す。老臣は李牧の代案と合致していたため、それを王命と受け取り、老臣と公孫龍はその場を去ろうとする。しかし、悼襄王は斬首ものの失態を犯した李牧本人はいまどこで何をしているのかと老臣に問うと軍と共に必死に山脈の合間を抜く道程で王都圏に向かって走っていると話す。

走る李牧に舜水樹が合流する。舜水樹は前線に張っておきながらの失態を詫びるが、李牧はいち早く邯鄲に鳥を飛ばすことができたため、この差が勝敗を大きく分けるかもしれないと話す。李牧は王都圏入口の列尾の戦いが長引けば秦軍よりも早く援軍が追いつき間に合うと話す。
傅抵は意表を突かれたとはいえ、列尾までの間を全て素通りさせるほど趙は甘くないと断言する。

飛ばしながら行軍を進める秦軍は中都市を避けて通っていた。貂は小都市であれば城に閉じこもるしかないが、中大都市であれば足止めに来るため上策であると感じていた。
飛信隊は右側に黄河をみる。それに沿って行けば列尾に着くと改めて気を引き締める。
そこに三千から五千の趙騎馬軍が王翦軍の前方と横腹を狙って突撃しようとしていた。しかし、王翦は馬脚を乱すな、直進すると命令する。部下がしかしと言うと王翦は桓騎が動くと返す。




ホント悼襄王は典型的なダメな王ですね
春平君のために李牧を咸陽に送るほどですからね…わかっていたことですが…

戦いは上手く李牧を出し抜けたものの、完全にまではいかなく、どちらが先に列尾に入るかが鍵になりそうですね。

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