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第472話 狩人の落日

信は刃に持てる全てを込め、慶舎を斬り裂こうとする。しかし、慶舎の剣の一振りが信の力を上回り、馬ごと吹き飛ばされる。飛信隊の隊員は慶舎の華奢な体になぜ信を吹き飛ばせるほどの力があるのか疑問を持つが、信が趙三大天を狙っている慶舎の刃が軽いわけがないと理解していた。
河了貂は遠くから一騎討ちの様子を伺っていたが、慶舎は本当に大物であると認識し、今の趙軍の五本の指に入るほどであり、それをこの場で討ち取れるのであれば、趙国にとって大打撃であると同時に最大級の武功になると確信していた。

信と慶舎の刃が幾度も弾き合う。その様子を誰もが固唾を飲んで見守っていた。

羌瘣の兵と劉冬の兵は互いにほぼ壊滅状態であった。劉冬は力を振り絞り、羌瘣に対して、黒羊を抜かせるものか、侵略者共がと吐き捨てるが、羌瘣は侵略者ではなく、飛信隊だと返す。

信は渾身の一撃を振り抜くが、慶舎は剣で受け止め、逆に信の首筋を斬りつける。
そこに右側より趙の援軍の姿を視界に捉える。急がなければ飛信隊は逆に全滅の危機に瀕することになりかねない状況に陥ってしまったのだ。
再度信が渾身の一撃を慶舎に喰らわすと、今度は剣で受け切れず、肩筋に傷を負う。それをみた慶舎兵は割って入り、信に飛びつく。信はそれを振り払い、さらに慶舎の間を置かない一撃をギリギリで受けきる。
慶舎は間近で信の目を見て、信との記憶が蘇る。趙楚同盟以来、信を知っており、李牧とその成長を注視していたが、想定よりもはるかに大きく成長を遂げていたと感じていた。

信が再び振り下ろした渾身の一撃は慶舎の右肩から胸を斬り裂き、致命傷を与えたのだ。



ついに信がやりましたね!!趙三大天に最も近い男を倒したとあれば、将軍に昇格することは間違いないでしょう。
慶舎を失ったとなれば、紀彗があとを引き継ぐというのもさすがに無理があると思うので、このまま退却するでしょう。
離眼城が桓騎の魔の手に落ちないことを祈るばかり。
結局、桓騎の弱点って何だったんだろうか?
あと、砂鬼一家は今回出番なかったですね〜

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