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第462話 困惑の夜

黒羊丘攻防戦三日目、飛信隊の放った逆転の一撃。しかし、この好機を桓騎は無視した。その行為に将兵の胸に困惑の火が灯る。
この好機を演出した河了貂は怒りを那貴にぶつける。那貴はおれに詰め寄るなといなすが、貂の怒りは一向に収まらなかった。ただし那貴は桓騎は基本ふざけているが、無駄なことは好まない人物であり、今回のこの行動の方が得をすると思ってのこうどうだろうと推測する。貂はそれは何だと聞くものの、それは那貴もわからなかった。

黒桜は摩論の陣を訪れる。黒桜は桓騎からの連絡があるかと尋ねるものの、ないと返事される。黒桜と摩論は今回のこのような行動は時々あるもので、明らかに確信的であり、それは何かわからないものの、桓騎を信じて戦うまでとした。
黒桜は紀彗について尋ねる。現れただけで兵が倍強くなり、自ら乱戦に加わる武勇と兵法もあり、さらに兵の心の掴み方が尋常ではなかったと印象を語る。摩論はそれを聞き、まるで大将軍級と評した。黒桜はそれでも将軍と兵の関係ではないと感じていた。摩論は趙国の抱える危険な武将は一人と漏れず把握しているが、紀彗という名はないと断言する。しかし、黒桜はそれだからこそ、紀彗の底が見えなく、この戦いの鍵を握る人物であると感じていた。

羌瘣は集落の小屋で目を覚ます。起きようとするものの、老婆から寝てるように注意される。老婆は傷の様子から大人しくしていれば明日には仲間の元へ戻れるだろうとみていた。羌瘣は自分が忠告しに来た集落であること認識し、敵なのになぜ助けたのかと問う。老婆はこの集落は趙軍の領土になる前からあり、何人だから敵という認識はなかった。羌瘣はそれでも秦軍からみればここも趙であると言う。老婆はだからここを離れろというのか、行くあてのない旅に出て、一体どれだけもつと思ってる、老人子供もいるんだぞと怒りを滲ませて言い返した。
羌瘣はふと劉冬の持っていた作り物に目を遣る。老婆は羌瘣の懐から出てきたものであり、なぜ離眼の守り子を持っているのかと尋ねる。羌瘣は斬った敵が大切そうにしていたので、拾ったと語る。老婆はそれを聞き、この戦いには離眼の軍が来ているのか、馬呈、劉冬、紀彗様とつぶやく。老婆は紀彗の離眼軍は趙軍の中でも一位、二位を争う強さがあり、秦軍に勝ち目はないため、軍に戻るのはやめておきなと止める。羌瘣は紀彗も離眼もその武名は秦まで届いてないため、それはないと反論する。
老婆は離眼の悲劇の後、紀彗様は外で大きな戦いをしていないから知らないだけと語る。それは十五年前に紀彗達は前城主を含めた離眼の大人達のほとんどを眼前で焼き殺されたというものであった。
それがなければ紀彗は今頃、趙の大将軍になっていただろうと言われていた。



まずは残念ながら、来週はキングダム休載です。
紀彗と離眼兵の関係性が少し見えてきましたね。離眼兵の多くは離眼の悲劇で親を殺された孤児達であり、紀彗を親のように慕い、育ってきたのだと思います。
しかし、離眼の悲劇を見ると人を焼き殺すなんて、桓騎以外にやる人物がいるのかと思うような殺戮だと思います。もしや15年前の悲劇も桓騎がやったのではないかと思うくらいです。もし仮にそうだとしたら最悪の組み合わせですね

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