SSブログ

第501話 気運の探り合い

秦軍の趙西部討伐軍の姿を見て、赤連城の兵達は沸き立ち見送っていた。
信と貂は赤連は兵糧を隠し集めている金安まで二日であるため、緊張が走っていた。貂は金安が進路変更地点であると推測しており、集結した兵糧をつかんで一気に南東へ道を変えると考えていた。そこで李牧に露見し、秦軍が先に王都の蓋である列尾を抜いて王都圏に侵入するか、趙に先に入口を固められ、侵入を阻止されるかが勝負の決め手であった。何も聞かされていない軍の金安からの進路変更が大きな山であり、総大将王翦の手腕にかかっていた。

王翦は全軍に小休止の命令を出す。
妙な位置での小休止であったが、しばらくすると大雨が降ってくる。桓騎は雨の中の行軍は疲れるため、体力を温存しとけということだと推測し、逆に走るときはとことん走らせるのだなと感じ取った。貂は軍の体力調整をしており、王翦の本番への助走はもう始まっていると心を引き締める。

趙西部の最前線地では秦軍の行軍の様子が報告されていた。舜水樹は李牧から武白へ戻るよう指示を受ける。舜水樹は伝者に報告しておくことはないかと確認すると伝者の一人が発言する。
それは金安に潜らせている間者の五人が消息不明になっているとのことであった。舜水樹は他の場所でも消息不明があるかと確認するとそれはないと返す。
舜水樹は金安だけが他よりも警備が厳重であるのは金安がただの中継地ではなく、何か秘密があると考え始める。そして、兵糧中継地が隠すものは二十万の兵が何十日も食える分の兵糧だという結論に至る。
そこで舜水樹は秦軍は金安より進路を変える恐れがあることを即座に李牧に伝えるため、伝令を走らせる。

舜水樹が金安の不自然さに気付き、李牧に伝者を送ったその時、王翦が独自に放った間者から急報が入った。それは趙からのものではなかった。それをみた王翦は行軍を早める指示を出す。

李牧本営地の武白では舜水樹の急報が李牧の元に到着しようとした正にその時、城内の李牧の元には別の急報が届いていた。それは王翦が掴んだ情報と全く同じものである。
燕のオルドが動いたのである。オルドは李牧の気が西に向かっている好機を見逃さず、趙に攻め入ったのである。
趙は王都圏の攻防に入る前に燕と戦うのであった。
李牧ら本営の意識が東へ持っていかれたころ、秦連合軍はついに進路変更地である金安城の姿を目視する所まできていた。




出たー
合従軍戦で10点という最低評価を喰らったオルド。秦と趙の一大決戦に横槍を入れて、掠めとろういうところが戦国の世の常ではありますが、小者ですね。
ま、李牧が出てきて、少し戦ったら兵を引くことになるのでしょう。
しかし、この小者のお陰で秦にとっては貴重な時間稼ぎになることは間違いなさそうですね。
舜水樹の気付きがどこまで生かせるのか、気になるところです。


皆様明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今年は趙との一大決戦に終始しそうですが、合従軍級の緊迫感のある戦いが見られるのではないかと期待しております。
今年もしっかりブログを続けていきますのでよろしくお願いします。

nice!(1)  コメント(7)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 7

総大将・王翦

皆様明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

さすがの李牧もこの展開には焦りを隠せないのも無理はない。やはり中規模国での戦略的挟撃は厳しいと言わざるをえない。今李牧からすれば西の秦に主力を注力したいのに、東から勝てなくもない相手だが、大軍である点が厄介で軍を分けなければならないと・・・ここは一つ三大天・龐煖に副将を付けてオルドの抑えに向かわせるのが得策かもしれない。

そして王翦…流石は機を見るに敏、このペースなら列尾を抜ける可能性もあるし、仮に入口を固められたとて、李牧の想定外の軍しか集結させれない事も考えられる。いずれにしても李牧の采配に目が離せない。

李牧が副官を任せるだけあって鋭い舜水樹。此度の大戦において必ずや面倒な存在になると思う。
by 総大将・王翦 (2017-01-12 08:54) 

ラーメン

オルドをけしかけたのって王翦なのかな?
by ラーメン (2017-01-12 10:06) 

しゅうしゅう

舜水樹は目のつけどころが鋭いですね。
と言うより、その質問にちゃんと答えた部下もちゃんとしているっていう感じ。

東西からの攻めに李牧はどう対処するのか。

まあ、燕と秦では国力が違いすぎるので、
燕との戦に主力をぶつけることは無いのでしょうけど。
by しゅうしゅう (2017-01-13 00:38) 

先読みのシャア

舜水樹は軍師の様ですね。鋭い読みをしている。
王翦は更にその上を行った読みをしてると思います。出陣の時に昌平君への頼みごとは、燕に対して秦軍の趙責めの情報を流す事だったのではないかと・・・読むというよりは、策士ですね。
しかし、まんまと、燕のオルドが趙へ責め入った。ただ、その通りとなっても、驚きあり、それが「戦国か」のコメントになったのかな?
今回、飛信隊は責めより、守りの戦いになりそうですね。城は王翦が責めて、阻止しようと駆けつけた王都の守護神や舜水樹らとぶつかり、王翦の隊を守ると思います。その他の趙軍は燕オルドとの戦いに回るかと。それにしても、趙軍は全くの後手になっており、以外にあっさり、決着がつくかもですね。

管理人様、皆様、明けましておめでとう、ございます。本年も宜しくお願いします。
by 先読みのシャア (2017-01-13 07:52) 

かずお

あけましておめでとうございます。本年も熱い闘いを記載する一年お願い致します。
地域の重要性を認識している辺り、僅かな情報でも正解に導けるんでしょうね。オルドの参戦は予想外でしたが、燕も斉の牽制は欠かせない筈。諜報活動なのか、タレコミなのか。李牧はどんな手を打つんでしょうか?武神の彼の方は…修業中?
by かずお (2017-01-13 12:46) 

名もなき飛信隊員

あけましておめでとうございます
いきなり六将級と評価される王翦の手腕が見られそうでワクワクしますね
そしてオルドがここで乱入するとは驚きました。
けど山戦が得意なオルドが李牧に太刀打ちできると思いませんが多少は戦力が分散されるので秦にとっては願ったりな展開ですね
すでに言われてますが王翦の情報操作で燕を動かしたような気もしますが・・・
王翦は戦で常に有利な場所をこれまで抑えてますから李牧相手にどう構えるのかにも期待したいです
飛信隊に与えられる役割も最初の1手で難易度が変わるでしょうから王翦・桓騎・楊端和がどう動くか楽しみにしています
by 名もなき飛信隊員 (2017-01-15 07:55) 

伊世

管理人さん、皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

勤め先で、節分の行事の準備で鬼の顔を描く事になりました。鬼の髪形に困りまして、さてどうしようかと悩んだ揚げ句、臨武君の頭を描きました…同僚達から、「凄い!怖そうな鬼!」と大変好評でした。次に描く時は…汗明を描こう。

休載が続きましたが今年も「キングダム」が始まりましたね。そして、オルド!この人、失脚したのだと思っていました…う〜ん、このタイミングで出てくるか、オルド!あの面白い仮面の人もいますね。王翦の作戦も気になりますが、李牧がどう動くのか、次の展開が楽しみです。
by 伊世 (2017-01-15 20:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。