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第499話 手にする想い

歓喜と緊張が入り混じる中、三将による連合軍がいよいよ趙に向けて咸陽を発った。咸陽は三軍を見送る歓声で賑わっていた。
そこで貂は壁と出会う。壁は南にいたが、この戦争に招集されていた。今回の軍はおよそ二十万の規模で合従軍を除けばここ十年で最大規模であった。壁は軍の規模もさることながら、本営上層部に妙な緊迫感があり、想像以上に大戦になる予感を口にする。貂は壁の意見を聞き、鄴攻めのことは情報漏れを恐れて、三将と信、蒙恬、王賁しか知らないことを改めて感じた。

歓声が一気に沸き立つ。今回の総大将である王翦が現れたからであった。壁は今回の総大将が王翦で本当に大丈夫か疑問であった。貂はそれを聞き、昌平君も同様に人間性に疑念を抱いているが、王翦にはその不安をおして余る秘めた力があると話す。

昌平君は信と蒙恬と王賁が集まった際に六将胡傷が王翦を認めていたことを話す。胡傷は唯一の軍師上がりの六将であり、頭脳だけで登りつめた軍略の天才てあった。戦争の自由を与えられていた六将も実際の戦略の大枠は胡傷が作り、他の五人を操っていたとも言われていた。昌平君は胡傷こそ自身の軍略の師だと語る。その胡傷が昔昌平君に王翦はその軍略の才だけで六将の席に割り込んでこれる逸材だと言っていたと話す。

昌平君は隣に立っていた王翦に授けた鄴攻めの攻略は戦局の流れによっては捨てていいと語る。そして、適宜判断を将軍に任せるとした。王翦は分かっているとだけ返した。そして、昌平君達はその場を離れようとする。王翦はその昌平君に対して、出陣前に頼んでおきたいことがあると語りかける。

信はいざ出陣という際に政を呼び出す。政は信からの預かり物を持ってきていた。それは身長よりも遥かに大きい矛でその重量も並大抵ではなかった。
その矛は王騎の矛であった。
信は王騎将軍の矛を手に取る。
王騎から授かった時は色んなことがいっぺんに押し寄せてよくわからなかったが、改めて持ってみるとすごく重いし、すごく熱いと言い、いきなりじゃ振り回されそうだから、使いながら慣れていくと話す。
政は出発する信にいつも通り勝報を待つぞと言うと信はこの矛で李牧の首をぶっ飛ばしてくると宣言する。






ついに信が王騎の矛を持ちましたね!!
感動で涙が出そうになりました。
ぜひ王騎の矛で趙をなぎ倒してほしいと思います!!

王翦の過去が少し語られましたね。六将の頭脳の胡傷が認めた王翦は今中華でもトップクラスの頭脳であることは間違いないですね。
今までの戦いから見ても焦ったところは一度も見たことないですし、今回の戦いの総大将としては適任かもしれないですね。性格に難があるのが不安要素ですが…

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総大将・王翦

六将・胡傷が軍師あがりの将で昌平君の師とは凄まじい。加えてその〝軍略の天才〟が認めた王翦の〝軍略の才〟も今や六将に相応しいと言っても過言ではないわけか。

練りに練った戦略を捨てて柔軟さを第一とし、現場において適宜状況判断をするという事においては王翦の得意とする所だろうから、この大戦、二転三転どころか五転六転の可能性も十分にあると思う。

個人的に気になったのが、総司令に対して王翦が「頼んでおきたいこと」だが、筆者はこれは息子・王賁の戦線配備についてだと考える。かつて著雍の合戦においての息子の策と「王家当主としての責務」を関常経由で耳にした王翦は、今までの息子に対しての評価を少しでも改め、此度の大戦においても、敢えて息子の戦線を自分の目の届かぬ範囲に配備し、遠くから活躍を見守りたいのかと…そこは父親の情として。

そして今号の目玉は〝王騎の矛〟だが、その〝存在〟だけで姜瘣を戦慄させ、隊員を歓喜させるとはまるであの矛そのものが王騎に他ならないと感じた。(久々の王騎の一コマはやはり感動モノ、皆と共に〜分かってるぜ将軍は心にジーンときた)。
by 総大将・王翦 (2016-12-15 09:21) 

伊世

三週間が長かったですね…待っていた分、嬉しいですね。

YJの表紙を見ました。王賁のポーズが何だか様になってない(笑)。
王賁「貴様、こんなつまらぬ事に俺を巻き込むな」
信「ンだと!てめエ、連載五百回記念の読者さぁびすだろうが!表紙に出られる事を有り難く思ってもっと楽しそうな顔をしやがれ!」
蒙恬「まーまー、王賁が俺達に付き合ってくれるだけでも大したものだよ」←(笑)
信「よっしゃ!次は千回記念を目指すぞ!その時は羌カイと貂も呼んでだな…」
王賁「…俺は知らんぞ」
信「ああっ何だ王賁、てめエ!」
蒙恬「まーまー」

…なんて声が聞こえてきそうですね。

胡傷の名前が出てきたのでビックリ。六将の事は謎が多いので、少しずつでもどんな人達だったのか、明らかになるといいですね。

王翦は…今更ですが何故に仮面をつけているのでしょう…この人も分からない事が多いですね。王翦が昌平君に言ったのは…戦(いくさ)に勝った時のご褒美なんじゃないかなぁ…と思うのですが…何を話したのでしょうね。

信が王騎の矛を持って出陣しましたね!馬陽の戦いから短かったようで長かったような…来たか!いよいよか!ってズシリと重さが伝わってきますね。信、頑張れ!


by 伊世 (2016-12-15 19:53) 

かずお

長い3週間でした。矛が折れた演出は実はこの為だった…長いよ。が、羌カイも振り向く気を発する王騎の矛、切り開いてくれ将軍の道を。

オギコ、凄いなぁ…あの桓騎を震えさせるとは。そして王騎軍副官の条件は肩当てスラッシュ回避だったんだ
by かずお (2016-12-15 20:41) 

先読みのシャア

長かったですね。出陣が咸陽からとは、粋ですね。しかも、信に王騎の矛を渡す為に、わざわざ大王政が届けるとは、今回の戦が今後を占う大事な戦であることが、伝わりますね。
王翦が総大将に選ばれた理由は、窮地に陥る前に引く決断が出来る才覚があるからでは?それと、胡傷の弟子で昌平君とは兄弟弟子かも?そして、王騎も同じではないかと。この3人は信頼関係にあるような気がします。だから、300人隊の頃以前に信、王賁、蒙恬の才覚を昌平君は知っていたのでは。昌平君への頼みごとは、総大将王翦さんが言われた様に、王賁に関してだと思います。ただ、今回の戦が過酷を極めるはずですから、もし、自分が死んだ場合、王賁の後見人になって欲しいと頼んだのでは?そんな気がします。もし、勝利したら、一気に本営や大王に信頼を得て、大将軍へ抜擢されるんじゃあ無いでしょうか?
by 先読みのシャア (2016-12-16 07:20) 

しゅうしゅう

王騎の矛を振るうには相当な握力がないと、ぶっ飛んでいってしまいそうですね。

ヒョウコウの鉾を使う頃には遅くとも将軍となっていることでしょう。

それにしても休載+合併号は痛かった。
by しゅうしゅう (2016-12-16 16:28) 

とおりすがる

王翦の頼んでおきたいことって、
褒美の確認ではないでしょうか?
史実からすると時期が早いと思いますが、今から呆れるくらい事ある毎に確認する事で無用な疑いをかけられる事を避けているのだと思います。
by とおりすがる (2016-12-17 20:18) 

魯庵爺

信が王騎の矛を持った時には私も涙が出そうになりました。しかし実戦で慣れるとはいえ信があんなに重い矛をいきなり使えるか心配です…私はてっきり将軍になってから使うものだと思ってたので笑 きょうかいと斬り合いしたらすぐ負けそうですね。

王翦が言ったのは鄴攻めに成功したら大将軍になることとどでかい褒美を要求したのではないかと予想してます!
by 魯庵爺 (2016-12-19 23:29) 

あー

更新はよ!!!
あくしろあく!!!
by あー (2016-12-22 20:41) 

コココココ♪

先週合併号の為今週はお休みです…(=_=)
by コココココ♪ (2016-12-24 09:57) 

f

きんも
by f (2016-12-25 02:00) 

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