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第491話 秦の障壁

李牧は政を睨みつけ、宮殿を立ち去ろうとする。しかし、昌平君は聞き捨てならない、秦が後悔するとはどういう意味かと李牧に問い質す。
李牧は昌平君に分からんのか、本気で秦が六国制覇に乗り出すというならばこの中華七国で最初に滅ぶ国こそ秦だと言っているのだと豪語する。秦にとって六国制覇とは持久力との戦いであり、中華の中心にある趙を早い段階で滅ぼす必要がある。しかし、李牧がいる限り秦は趙を討つことは叶わぬし、さらに秦軍を内地に誘い込み、徹底的に討ち殺す。趙としてはもはや相殺でも構わない、それは泥沼化すれば楚が北上して咸陽を攻め落とすからである。趙と楚でそのような密約があるわけではないが、媧燐がその好機を見逃すはずがないと断言する。
昌平君は李牧の目の前に立ち、そうなる前にお前を討つと言っているのだと睨みつける。しかし、李牧は誰が私を討つのですと聞き返す。桓騎ですか、蒙武ですか、騰、王翦ですか、笑わせる、そんな目で中華統一をなせると思っているのか秦軍総司令と見下した。さらに李牧は秦本営は秦の抱える将軍たちと李牧との力の差がどれ程開きがあるか分かっておらぬ、今いる秦将全員がまとめてかかってきてもこの李牧の相手ではない、それでもやるというのであればかかってくるがいい、趙は絶対に落ちぬ、この戦いで滅びるのは秦であると言い残し、堂々とその場を立ち去った。

李牧が立ち去ったあとの宮殿では幾ばくかの敗北感があった。臣の一人は李牧をいっそのこと殺して仕舞えばというが、そんなことをすれば秦が勝っても趙は統治できないところになると介億は言う。昌文君は易い挑発に乗るのではない、李牧は早速心理戦を始めたに過ぎないと諌める。介億は李牧の真意を推し量ろうとした時、政は中華統一を語るに王の顔を己の目で確認しに来たのであろうと推測した。

李牧は帰国後、趙の軍事強化に国庫を開きだした。秦もそれを追うように秦も国庫を開き各地の軍事強化に入った。

秦国太近では飛信隊の新兵募集が行われていた。三百人の募集に二千人が集まってきたほど大人気であった。




李牧と昌平君の舌戦は李牧に軍配が上がった感じがしますね。
心理戦の様相はあるにせよ、秦将全員を相手にしても李牧の敵ではないというのはすごい自信だと思います。でもそれをやってのけるのが李牧なので相当警戒が必要かと思います。
秦趙全面戦争は負けた方は本当に国が滅ぶ危険がありますね。趙は韓、魏と連携し、さらに楚を動かすことにより優位に進めていけるような気がするので、秦としては厳しい戦いになる可能性がありますね。

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王翦

「笑わせる」か、今や秦国を代表する名だたる将軍をその一言で一蹴するとはな李牧。しかも総動員しても相手ではないか笑…しかしながら、李牧の実績を鑑みればそれが不可能に見えないのも事実だから、やはり恐るべき男には違いないだろう。

それと李牧の〝真意〟を政が看破していた点は流石だな。李牧からしてみれば「趙を含む六国を滅ぼす危険思想の男」とは何者なのか?…何より「蕞の英雄王」と評される男の容姿は?と興味が尽きなかったはずだろうし。

さて、これで両者気兼ねなく決戦というわけか、どの様な展開になるのか楽しみだ。にしてもふらりと信が現れてからの弓矢兄弟とのやり取りは面白かった笑 是非とも飛信隊入隊選抜試験に両者受かってほしい!笑
by 王翦 (2016-10-06 08:55) 

名もなき飛信隊員

やはり李牧そして媧燐のこの二人が厄介ですね。
戦争をやっているのだからこれくらいの自信がなくては宰相はつとまらないのでしょうか。
李牧は秦の手の内を知っているからこその発言なのでしょう。未知の相手こそ李牧を倒せる将軍でしょうからやはり信・王賁・蒙恬がはやく台頭してこなくては統一は難しいか。大穴で壁とかも(笑)
次回はやっと飛信隊に話が戻るでしょうし新隊員にも期待しなくては。
ところで黒羊の論功行賞はないのかな?
桓騎は活躍したのだからあってもいいと思うのだが。いまいちまだ納得のできない勝ちだけど。
by 名もなき飛信隊員 (2016-10-06 15:32) 

お名前(必須)

どうせ中華統一したとこですぐ倒れるんだから、いま殺っといた方が楽だろうに
by お名前(必須) (2016-10-06 20:05) 

気になる王

斉王のやりとりもきになるんですが、、
by 気になる王 (2016-10-06 21:24) 

しゅうしゅう

「桓騎ですか、蒙武ですか、騰、王翦」自信たっぷりでしたね。
でも、李牧が言うと、この誰でも李牧を抜け無さそうな感じがします。
蒙武だと策にはめられて、ズタズタにされたところに龐煖が出てきて、終了。
騰はそもそも策にはめられた王騎の副将。
王翦はなんとなく攻めより守りが得意そうでにらみ合いになりそうですし、
桓騎は前回戦い方を見物されて、もう対応策は考えていそうです。

ところで、1巻冒頭で信は李信と呼ばれていました。この李信の李は李牧から受け継ぐのではないかと予想しております。
by しゅうしゅう (2016-10-07 01:01) 

下っ端@有望株

三国の使者が集まった当初は、翌年趙との戦までどういった流れになるんだろうって考えてたけど、結構あっさり宣戦布告しましたね。やっぱり李牧とは最後まで戦うことになりそうかと。
飛信隊、大きくなったなぁ。太近ってのは確か軍功で与えられた土地でしたっけ?その領地の1番偉い奴ってことになるもんな~。信のことだから、3百人と言わずもっととれ!とか言いそうだなぁ

by 下っ端@有望株 (2016-10-07 01:14) 

先読みのシャア

李牧と昌平君のやり取り、どちらも感情的になってましたね。両者共にいつも冷静沈着がトレードマークの様な人間なのに・・・
それほど、互いに重大な事ってことですね。
李牧は流石に大口が過ぎるけど、昌平君のあの冷静を欠く対応を引き出した事でこの心理戦は勝ちですね。疑問を植え付けたのは大きい。疑問が残った状態は、対処の幅を狭める事に繋がるから、趙が優位に立つと思います。
その李牧も秦にあれだけ、タンカ切ったから、焦ってました。今回のやり取りはそう言う心理戦が良かった。
後、飛信隊員の募集より、信のお見合いの方が気になります。描いて欲しいものです。
by 先読みのシャア (2016-10-07 21:18) 

チェキ

李牧自称最強宣言には驚きましたね。
李牧>カリン>秦の将軍達
↑こんな構図なのでしょうか?
コウエンでなくカリンを使う理由がよくわかりませんね
by チェキ (2016-10-08 21:14) 

なかひと

こんばんはです。ここ数回、李牧の表情がシンプルに迫力が出ていて、凄まじさを感じております。
長く続く漫画は、絵柄に多少の変化は出るものですが、わざと?なんですかねぇ?

誰なら李牧に勝てるのか?
史実と異なるのでしょうが、それは信!と言いたい。李牧は信を驚異と認めたはずだし。
謄や蒙武その他は名指ししましたが、敢えて名を挙げなかったのかな?と。
ああ、裏を考えたらキリがない…(笑)

穿った見方をあともう1つ。
秦の障壁イコール『信』の障壁??
ダブルミーニング?!

ますます目が離せない~~。
by なかひと (2016-10-08 22:02) 

軍長代理

策に嵌められた王騎の副官てのは違う気がします。李牧の存在が知られていなかったから馬陽で討てたのであって、お互い知ったうえで総大将として戦をしたら、王騎が李牧に負けるとは思えません。
したがってオールマイティーで弱点のない謄なら勝てるのではないでしょうか?
もともと傑物なのに、王騎の死後に二皮くらい剥けましたからね。
まあホウケンを信が抑える条件付きですが。
by 軍長代理 (2016-10-09 00:19) 

かずお

今回の話で最初の斉王と秦給仕の会話が政の困難を暗示している気がして、趙や魏だけでなく内政の意思統一にも苦慮しそうです。法の番人だけでは足りないから、追放された宦官の趙高を呼び戻して手伝わさせるのかな?と史実に近付ける演出を予想。勿論合わせない為に幽閉中の母親は死んだ事にして子供達の処に送ると。

勿論外しますよこの予測も。

李牧…強気に出ていましたが、本音も漏らしてしまいましたね。奥に引きずり込んで疲弊させる!と。つまり李牧も勝てると思ってなく、負けない戦い方を選ばざるを得ないと覚悟しているのが感じられました。だから強気に出て攻めても無駄だと植え付けたかったのでしょう。きっと政も分かった上で、覚悟して李牧との戦いに挑むのかな?と。

最後に出てきた兄弟、お兄ちゃんの顔が貂にそっくり。影武者として採用されたりして?当然外しますよこの予測も。

by かずお (2016-10-09 16:55) 

伊世

飛信隊に新しい仲間が増えますね。どんな人達が入るのかな。この中に、「引っ掻き回し役」…という人がいるのかな?楽しみですね。

私は、信のお見合いはないと思います…お見合いをしたら羌カイと貂ちゃんにぶっ飛ばされそう…でもするとしたら相手はどんか女性なのか、興味はありますね(笑)。オマケ漫画で実現しないかな。
by 伊世 (2016-10-09 20:24) 

冬将軍

本編は小休止して、飛信隊強化編的なの期待してます。
by 冬将軍 (2016-10-12 19:50) 

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管理人さんどうしたんだろ?
by お名前(必須) (2016-10-13 20:47) 

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