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第467話 狩られる側の風景

黒羊丘攻防戦四日目、慶舎は自ら隊を率いて飛信隊撃破に向かったが、逆に桓騎の罠に嵌り、ゼノウ一家に包囲され、壊滅寸前であった。
桓騎はその光景を遠くから眺めていた。桓騎は慶舎が主力を飛信隊分断に出したのも計算通りと豪語し、桓騎はしっかり目に焼き付けて死ね、それが狩られる奴の景色だと慶舎を見下し、笑っていた。
それはまさにゼノウが慶舎と対峙する直前であった。

離眼城では女子供達と老婆達が集まっていた。そこでは黒羊丘にある集落から趙軍が敗退しそうであるという情報が流れていた。その情報に子供達は恐れおののいていた。老婆は子供に紀彗は出陣前に強くあれと伝えたことを思い出させた。紀彗は悲劇の後、二十歳そこそこで城主となり、主だった大人達を失い、虫の息であった離眼をここまで復興させ、新しい父として今日この日まで戦っているのだ。紀彗様は誰よりも強い、紀彗様は必ず黒羊丘で敵を食い止めてくださると力強く言い聞かせる。

紀彗は崖を全力で駆け下り、ゼノウ一家に突撃をかけていた。紀彗は個々の武力はゼノウ一家が上であると瞬時に判断し、士気で大きく上回るために、頭であるゼノウに対して、突っ込む。
しかし、紀彗はゼノウの大岩に振り払われる。紀彗は矛で受け止めるものの、矛は折れ曲り、負傷する。それでも紀彗はひるむな離眼兵、これほどの暴力、こんな獣の如き奴らだからこそ、何があっても黒羊を抜かせるわけにはいかないのだと叫び、趙兵を鼓舞した。
紀彗は慶舎を今のうちに包囲網から脱出させ、趙軍の立て直しを図ろうとしていたのであった。

桓騎は紀彗の咆哮に眉をひそめる。それが趙軍敗北に待ったをかける目になりうると感じたからである。そして、その紀彗の秘める力に最初に気づいた黒桜が即座に動く。紀彗が不在となった丘の右半分を奪うべく、全軍突撃の号令を発したのである。これより麓を含めた丘の戦いは灼熱と化す。



紀彗がいいところで入ってきましたね。黒桜が動いたことによりさらに劣勢になる可能性があるが、確かに慶舎さえ残れば、立て直しは可能な気もします。
ただし、それでも桓騎を警戒するあまりあまり動けなくなるような気がしますが…
ところで飛信隊は大丈夫だろうか?

しかし、ゼノウ一家は漫画の主人公側のキャラではないですよね…完全に敵キャラの絵面ですね…そこがまた面白いですが
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飛信隊が分断されるのもカンキの計算のうちとは!?この流れならケイシャの首とるのはカンキだな。
by お名前(必須) (2016-03-17 08:10) 

范増

流石は黒桜、動きが早い。この分なら迅速に丘の右半分を奪取できそうだ。
それにしても紀彗があそこまで早く駆けつけるとは意外だった(趙が誇る北方雁門の騎馬隊は伊達じゃない)
確かに慶舎が討たれなければ潮目が変わるのだろうが、それで失う物も大きい。果たして紀彗はこの状況をいかに切り抜けるのか(ゼノウ一家を全力で足止めしたとて、損害も大きければ自陣に戻ろうにもそれを黒桜が静観する訳もなく、今や絶体絶命の紀彗に活路があるのか注目だ)
現段階で秦軍の優位は揺らがぬだろうし、問題は慶舎があの場を逃げ切れたとして、逃げ切れるかだろう(他の方々のコメント通り、信に討たれるフラグが成立するのか?はたまた桓騎の「計算通り」の罠が未だ眠っているのか?注目したい)
by 范増 (2016-03-17 08:11) 

贔屓

ゼノウ強ぇぇー!
by 贔屓 (2016-03-17 18:50) 

NO NAME

ゼノウ一家は包囲できるほどの大軍だとは驚きだ。
左翼で全滅の危機に陥り,笛吹いて辛うじて助かったはずだったのになw
そんなゼノウ一家に簡単にやられるキスイ軍弱すぎ。
by NO NAME (2016-03-17 20:39) 

しゅうしゅう

ゼノウ軍は自分たちの型にはまった時は強くて、そうじゃない時は脆いのかも。
じゃないと、他の方が指摘しているように、ちょっと前に逃げ出したのが説明できませんよね。

by しゅうしゅう (2016-03-17 23:01) 

黒羊戦長いな〜

離眼住民の描写、パッと見、紀彗が勝つフラグに思えるけど趙軍が勝つとは思えないしなー。桓騎軍めっちゃ悪役に描かれてて紀彗が正義のヒーローみたいなかんじだけど、この戦どう収拾つけるんだろうか。やっぱり桓騎軍が黒羊丘占拠して離眼城に襲いかかるっていうときにキョウカイ(飛信隊)が止めに入るってオチかな?先が気になるは気になるけど、そろそろお頭のニンマリに飽きてきたー!
by 黒羊戦長いな〜 (2016-03-17 23:09) 

伊世

お久し振りです。飛信隊、大丈夫かな。離眼の人々も、もし紀彗が負けたらどうなるのか…紀彗も負けないでと、応援してしまいます。

近所に仲良しの野良猫がおりまして、「りんこ」と呼んでいます。可愛くて、賢い猫です。

…本編と関係ない話でごめんなさい(--;)
by 伊世 (2016-03-17 23:16) 

先読みのシャア

紀彗が助けに入りましたね。乱戦状態になったら、慶舎は逃げ延びそうですね。又、読みが外れましたかな(笑)
でも、逆に紀彗が打たれるのかな?好きなキャラなのに・・・
桓騎の軍に援軍に来た部隊が消滅するのは、飛信隊の様に囮にされて、潰れてしまうからでしょうね。
尾平の様に隊の入れ替えは、風評が出ないように、桓騎の軍に吸収して、飼い慣らしてしまうのが目的ではないでしょうか?
このように、自分の軍の損耗を避けて、囮を使って勝つのが、大人の戦いって説明かな?
もし、そうなら桓騎はかなり冷酷な人間って事になるけど・・・
でも、戦で囮を使うのは常套手段で王騎や王セン、飛信隊だってやってるから、単純に冷酷とは言い難い。まあ、飛信隊は消滅するわけないけど、被害はかなりなものになるでしょうね。
ここからの巻き返しに期待ですね。

by 先読みのシャア (2016-03-17 23:32) 

昭王

やはり紀彗が動いてきたが、対陣する黒桜は動くのが遅い。

黒桜の横を通ったゼノウが慶舎に襲いかかった
時、黒桜は紀彗を封じるべきだった。

囮にされた飛信隊は壊滅の危機では無く、慶舎を打つ千載一遇の好機。絶対にこの機を逃してはいけない。

やはり、ゼノウが慶舎に襲いかかった今、飛信隊は後退では無く、隊を建て直して慶舎の首を狙うべきだろう。
by 昭王 (2016-03-17 23:33) 

かずお

ゼノウ一家の強さは理不尽にも慶舎や紀彗の本能を打砕きそうです。結果包囲されましたが、序でに飛信隊も包囲されましたね。ゼノウ一家の理不尽は味方すら巻き込む暴力なら、隊の消滅はこれだったのかも。

ならば紀彗は慶舎を逃す手筈を整え身を盾にするでしょう。それをみた離眼兵は意気消沈。しかし少数で防陣組むより、多数で組む方が防御効果高いと判断した貂が一時休戦し、対ゼノウ一家対策を劉冬と実行。信がゼノウに攻撃中止を申し出ても止まらぬゼノウ。結果ゼノウ対信の形になり、信が勝利。負傷した紀彗は降伏し、飛信隊預かりになれば…ねぇ。前に妄想した離眼兵の吸収が実現化し、倒すよりも困難な降伏で人材確保にも繋がります。紀彗はただの将軍ではなく黒羊丘近辺の行政トップでもあります。信が将軍昇格に相応しい戦果ともなります。

因みに桓騎将軍はゼノウを失っただけでなく、慶舎を取り損なったのでただの勝利に。ゼノウの暴走は責任問わずになりそうですから…

…と、長い妄想書いてみました。安心して下さい、ハズレます。
by かずお (2016-03-18 04:17) 

ジョン

離眼城の描写をわざわざしたということは、やはり何かありますね。
このまま押し切ってもらいたいと思いますが、まだまだ二転三転しそうな気もします。それはそれでいいのですが、もっとスピード感のある展開にして欲しいです。
by ジョン (2016-03-18 09:49) 

う~ん…

前回のゼノウに襲われる寸前の終わり方から、このキスイとゼノウの一騎打ちは流石に無理がありすぎかと…
アニメ、ゲーム、ビジネス書とかに手を広げすぎず、是非ヤンジャンの連載に集中してほしい…
休載も多いし…

先生少しお疲れなのかな、原作に目が届かないのかな…

と、思ってしまうくらいの黒羊編…

う~ん…(>_<)
by う~ん… (2016-03-18 12:34) 

五百人将

趙の大将格はゼノウの猛攻を受け、一方で丘の占拠を着々と進める...趙にとって手痛いですねこれは...
未だ動向がわからぬ砂鬼一家は、だめ押しのため近くに伏せているのかも...馬陽、山陽でも無傷の軍の登場、存在が決定打になりましたし...
by 五百人将 (2016-03-18 12:40) 

伍長

ゼノウと慶舎の間にキスイが割って入ることに無理がある前に,ゼノウが慶舎のところまで簡単に届くことの方がもっと無理がありますね。
作者も少しお疲れなのかな。
by 伍長 (2016-03-18 13:00) 

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っだら
てめエら

って、まんま湘爆やんっ

どうせ最近の読者は解らんとかたかくってるんだろなぁ~

まじシラケる。
by お名前(必須) (2016-03-18 23:42) 

お名前(必須)

ですねっ!
慶舎両手ブラリvsゼノウ3m位の場面で
キスイの「んてぇ~!!」ってなに!? そのシーンの画も雑だし、正直萎えた…
キングダム、連載開始以来の大ファンですが、テンちゃんの「ゴゴゴゴ~!」以来、明らかにおかしいっ!? 

しかも前振りあってやらなきゃならないのが

①ナキ&出っ歯くんの入れ替えの真意
②信vsバテイの今後の展開&決着(ゴゴゴゴ~でリベンジ達成とか言うなよっ!あれはドナンの悲劇・さかなクン、エンさんの手柄 うざテンかす)
③キョウカイvsリュウトウの今後の展開&決着(人形絡み)
④村人&ばぁさん・子供達の安否
⑤離眼の民&砂鬼(!!)の存在
⑥睨み合ったままの雷土&ガクエイ
⑦期待満載のおっぱいオギコの実力っ!!
⑧後ろに控える李牧&我武の絡み(キショウのときに、離岸救済に手遅れだったとかいってたから最後絡めそう)
その他モロモロ~

…あと一年は黒羊かのぉ~(T^T)

by お名前(必須) (2016-03-19 00:18) 

尾平の仲間

慶舎の全くうろたえない様子が気になるね。
何か伏兵をを忍ばせているのか,それともめっさ強いのか?
分断された飛信隊はどうなったのか?少なくとも信のいない側は壊滅になっていると予測。
来週が楽しみだ。
by 尾平の仲間 (2016-03-19 14:39) 

…

黒桜さんには紀彗さんを抑えていただきたかったのですが、まあ摩論さんと共に丘を占拠していただければ、それでも良いかもしれませんね。
それに紀彗さんの乱入で乱戦になりましたが、乱戦は野党集団の桓騎軍や、飛信隊も得意そうなので問題は無さそう。
むしろ乱戦になって困るのは慶舎でしょうね。
あの様な乱戦ではアミの張りようが無いですから。
それはそうと離眼城のあの描写は、紀彗さんの死亡フラグに思えてなりません。
飛信隊に紀彗さんが入ってくれたらなぁ…なんて思っていましたが、まあ元々無理な話でしたね。
by (2016-03-20 13:21) 

NO NAME

「ゼノウvs信」になって、信がゼノウを殺しちゃったら、当然信の首が飛ぶよねーww
ゼノウの暴走はお頭の想定内ですからっ!
by NO NAME (2016-03-20 13:32) 

エディフ

 今回の黒桜の攻勢に出るタイミングはよかったと思いました。
 始めキスイ軍の防御陣形は強固なようでしたがゼノウ一家にかき乱された状態でキスイ自身も丘下へ向かってしまった今であれば大きな打撃を与えられると思います。

離眼兵の結束力は秦軍にとっては脅威なのでここでキスイの配下をたたくことができれば黒桜の大きな戦果だと思います。

 そして見ようによっては 計らずも信の周りに主要な敵将が集まってきた形なのでピンチをチャンスに変える働きを期待します。
by エディフ (2016-03-21 15:37) 

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慶舎は離脱して、馬てい対ゼノウになるんだろうね。慶舎を逃がしてしまった事でカンキは手の内を李牧や慶舎に知られてしまい、次戦は苦戦を強いられる事になりそう。
慶舎を追撃する信は時すでに遅しの感ありですね。
by お名前(必須) (2016-03-21 17:30) 

あっこさん

キングダムは合従軍編で一度ピークになってしまったことは否めない。さすがに。

チョヨウ編はちょっと萎えた。

でもロウアイ編⇒黒羊編とだんだん盛り返してきてると思うな。
お頭はマジカッコイイ。

かっこいいけど今回は勝ってほしくないという複雑な心情…

王騎のあたりから週刊ペースで読んでいる身としては、今のペースは全然遅くない。あとでコミックスで読み返せば普通にスピーディに感じるはず。
by あっこさん (2016-03-23 16:11) 

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