SSブログ

第466話 李牧級の男

趙軍総大将慶舎の突撃により、飛信隊は壊滅の危機に瀕していた。信も我呂も慶舎軍の勢いを止めることはできなく、圧倒的な劣勢となっていた。そして、ついに飛信隊は分断されてしまう。
飛信隊後方では河了貂が指揮を執っていたが、劉冬の包囲布陣に対し、弱点を見出すことはできないでおり、一点突破で包囲の外に出ることで全滅を避けようと考えた。信も飛麃もいない後方では楚水しか頼れる人物はいなかったため、楚水の元に兵力を集めようとする。しかし、楚水の元に馬呈が現れ、大斧をまさに振り下ろそうとしていた。そこに楚水の部下が割って入り、身を盾にしたことで、楚水は一命を取りとめる。

丘の麓で飛信隊が絶体絶命の窮地に陥ったこの時丘の中腹でも異変が起きていた。突如現れたゼノウ一家が紀彗の布陣を暴走したのである。幾重にも守りを固めた紀彗軍が抜かれたには二つの理由があった。一つはゼノウ一家の圧倒的な武力であり、もう一つは紀彗の本陣を守るべく計算しつくされた布陣に対し、ゼノウ一家は本陣に目もくれず斜めに横切ったからである。困惑した兵達に同様に紀彗も言葉を失ったが、その動きの意図に気づいた時に戦慄を覚えた。ゼノウ一家の標的は丘の下に出てしまった慶舎であったのだ。
慶舎の兵達は突如現れたゼノウ一家を全力で止めようとするが、その勢いを止めることはできなかった。

丘の反対側の金毛本陣では慶舎が急襲された報告が入る。金毛はそれを聞き、慶舎は嵌められたのだと感じていた。以前金毛は李牧から忠告を受けていた。李牧は実戦で慶舎を討つのは李牧自身でも至難のワザであると言っていた。それは慶舎は常に自分の張り巡らせた網の中で相手の失敗を待つからであり、慶舎を討つには網の外に何とか慶舎を出す必要があるためであった。それゆえ、逆に慶舎が網の外に出た時はいくら慶舎と言えども討たれる恐れがあったのだ。金毛は李牧の言葉から慶舎は今、網の外にいると感じていた。三日目の戦局、丘の陣取りの好機に桓騎が動かなかったのは悪ふざけではなく、慶舎を討つ仕掛けだと気付いた。金毛は元野盗如きが李牧級の戦術眼を持つことに悔しさを感じたが、まだ間に合うと後軍を丘の反対側に回し、慶舎を助けに行こうとする。しかし、それを防ぐべく、摩論が全軍で金毛軍を攻め立てたのであった。

そして、ついに慶舎の目の前までゼノウが現れる。




やっと桓騎の意図が読めましたね。飛信隊が絶好の機会を作ったのにも関わらず、動かなかったのは慶舎を誘き寄せる手段であっんですね。さすが六将級と王騎に言わせた男。
しかし、ゼノウを前にした慶舎に焦りの表情が一切なかったことが気になりますが、この危機を脱する手は如何に。
あと紀彗がどう動くのか…

あと桓騎が送るといった援軍はゼノウだったのか〜約束をちゃんと守りましたね笑

nice!(3)  コメント(25)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 25

范増

元野盗如きの分際と侮ったが運の尽きだな金毛は(流石は桓騎。一見不可思議な行動の裏には〝完全なる勝利〟の為の確固たる布石がある。〝六将級〟は伊達ではない)
ゼノウの動きに即座に反応する摩論も流石。
李牧の言った通り〝アミ〟の外に慶舎が出た以上、今や近距離までゼノウに詰め寄られた慶舎の命は無いとみてほぼ間違い無いはず(この状況で紀彗が駆けつける、或いは慶舎自身ゼノウを返り討ちにする武力は無いだろうし)
となると、残る軍勢は味方が【桓騎】【ゼノウ】【黒桜】【摩論】【雷土】【信】等々

敵が【紀彗】【金毛】【岳嬰】【馬呈】【劉冬】等々になるが果たしてどうなるか・・(筆者としては慶舎が討たれた段階で趙軍総退却の絵図が浮かばないので、まだもう一波乱来ると思われる)
by 范増 (2016-03-10 09:04) 

ゲスイ

ゼノウからは素直に味方を棄てて逃げるでしょう。
いきなり慶舎が武力も大将軍級とかで、あっさりゼノウをスヒンしちゃうとがっかり展開です。
by ゲスイ (2016-03-10 09:14) 

昭王

囮にされた飛信隊は壊滅の危機では無く、慶舎を打つ千載一遇の好機。

ゼノウが慶舎に襲いかかった今、飛信隊は後退では無く、前進して慶舎の首を狙うべきだろう。

総大将が打たれれば、敗北そして離眼陥落となるこの戦い、この場面で、紀彗は慶舎を助けることが出来るのか。

黒桜は紀彗の動きを封じることが出来るのか。
by 昭王 (2016-03-10 09:20) 

ゲスイ

もしかしたら、信もゼノウも慶舎を討ちそんじるのでは?
ゼノウの攻撃受けると、頭飛んじゃいますがありえますかね?
一歩兵になり逃げきれたと油断した慶舎を隠れているライド隊の出っ歯くんか、復活したキョウカイが討つのではないかと予想。
信隊が慶舎を討つとカンキに言いきったのもありますしね。
by ゲスイ (2016-03-10 09:36) 

砂鬼一家

ここで隠し玉に 三大天 龐煖の 可能性ありそうな予感して仕方がない
by 砂鬼一家 (2016-03-10 11:54) 

あ

武神はさすがに総大将にしないと。
リボクなら隠し玉で使えるけど、格下の慶舎の下にはできないのでは?
たまたま武神が近くの森で木を伐採していれば、ブホォの声に反応するかも。
by (2016-03-10 12:34) 

NO NAME

やはりゼノウの突進でしたか。
岳嬰隊を雷土隊と一緒でも抜けなかったのみならず,全滅の危機にまで追い込まれたのに紀彗軍をあっさり抜けるということは・・・ちと残念です。
ゼノウ一家だけ勝てるなら他隊は不要でしたねw
by NO NAME (2016-03-10 12:38) 

輪虎

ケイシャの最後ドアップが気になります。

絶対なんかあるけどなんだろか!?

恐らく迎え撃つのだろうけど。

ここでケイシャ版の火兎を鳴らして退却!
by 輪虎 (2016-03-10 12:43) 

五百人将

桓騎は敵の嫌がる事をすると言ってますが、それは弱点を突くことに他ならない、と実感しました。
山陽の戦いでも、正攻法が売りの介子坊に対してゲリラ戦法を、策士の玄峰に対しては忍び寄り距離を詰めて仕留める等...
箸壅の戦いで呉鳳明が言っていた、桓騎自身の弱点って何なんだろう?
by 五百人将 (2016-03-10 12:43) 

こんなんいかが?

初めて会ったとき、キスイを副将に任命してた時点で既にケイシャの死亡フラグ確定。
ケイシャ死亡でキスイが大将を引き継ぐから。
んでリガンをサキ一家にとられてて、趙に忠誠心低いキスイはあっさり降伏、まるごとカンキの配下に。
飛信隊以外ほぼ無傷のお頭大勝利、ニヤリ。
by こんなんいかが? (2016-03-10 14:32) 

そっ。

ぼくがゼノウをヤるよ。慶舎の弟だからね。そして笛吹いてゼノウ軍団解散だよ。…ところで出っ歯くんは?
by そっ。 (2016-03-10 15:08) 

K

桓騎のお頭の狙いは、「蜘蛛」そのものではなく「蜘蛛の巣」を崩壊させること。

「巣」から出た慶舎をゼノウが急襲、救援に向かう金毛が摩論と衝突。恐らく次週、ゼノウの突破に乗じて黒桜が紀彗本陣に進軍し、中央丘一帯が乱戦状態になるだろう。

仮に慶舎がゼノウを跳ね除けたとしても、乱戦状態に陥った「巣」は、既に獲物を待ち受ける罠とはなり得ない。かくして得意の待ちの戦術を取れなくなった慶舎は「裸の蜘蛛」となり、最後に桓騎のお頭が屠る。

一方、崩壊寸前の飛信隊だが、戦線を広げすぎた馬呈・劉冬の背後から砂鬼の軍が襲い掛かる(これが桓騎の援軍)ことで難を逃れる、というところか?
by K (2016-03-10 15:45) 

ジョン

李牧級と称される慶舎なので、このピンチとなった状況でも打破できる奥の手を備えているのか、はたまた、このまま敗れ桓騎の実力が高いことを知らしめるのか。
描き方によって今後の展望が大きく変わるような気がします。
信もそれなりの武功を挙げなければこの戦での将軍昇格は難しいですよね。
by ジョン (2016-03-10 21:38) 

先読みのシャア

初めて、コメントさせて頂きます。

原先生のストーリーは天才的なので、毎回、予測が外れてしまう。
だから、おもしろいのですが・・・

さて、今後の展開ですが、慶舎はゼノウの脅威からは脱すると見ます。
しかし、分断された飛信隊が近くに居るでしょうから、信と相対するでしょうね。
そして、一騎打ち。

信が死闘の末に慶舎を討ち取り、晴れて将軍に・・・
しかし、大将が討ち取られても、紀彗が大将となって、紀彗の陣で激しい戦いに・・・

こんな感じでしょうか?

信が将軍に昇格と同時に、陽ちゃんへの婿養子を大王政から推薦されて、李の名字を得る。

この予測や、如何に。
by 先読みのシャア (2016-03-10 22:11) 

ヒョウコウ

面白くなってきましたね!慶舎は信が威圧感(殺気)みたいのを感じてたので武力もかなりあると思います!ゼノウの突進じゃやられないが、カンキはさらに雷土やサキなどを使って圧倒。

最終的にカンキは動かずに勝って笑ってる気がします!
by ヒョウコウ (2016-03-10 23:58) 

しゅうしゅう

キャラ的に慶舎はゼノウにはやられず、一蹴するのでは。
彼を葬るには、もっと腕達者が必要そうです。
by しゅうしゅう (2016-03-11 16:08) 

メノウ

一応慶舎軍は最精鋭で総動員しているのはずだから,ここで簡単に崩壊するようならこれまでの戦いでの好苦戦のつじつまが合わないです。
おそらくゼノウ一家は退けられ,信達が挽回すると予想します。
頑張れ,飛信隊!

by メノウ (2016-03-11 19:40) 

お名前(必須)

絶体絶命の飛信隊。ここらで、羌カイの復帰&信の覚醒がみたいですね。
by お名前(必須) (2016-03-11 21:37) 

一兵卒

楽しくなってきましたね。

慶舎が信に討たれて、カンキも紀彗に討たれちゃったりして。
紀彗のこれまでの描写の厚みから考えると、それぐらい活躍しそうな予感。
by 一兵卒 (2016-03-11 21:46) 

無能な怠け者

投稿失礼致します。
管理人様、いつもありがとうございます。
私は、慶舎はここでは戦死しないんじゃないかなと思います。
戦死しちゃうと、また趙で新しい将軍を作るのが
大変なんじゃないかなと思ったりします。
戦死せずに次の戦場で、
ひたすら持久戦に持ち込むようになった慶舎を
見てみたいなと思います。
あと桓騎軍に派遣された部隊が消失するのって、
囮にされてしまうからなのかな?と思いました。
大人の戦って味方を犠牲にしても
勝利を掴むということでしょうか。
今まで飛信隊はあまりそういう戦いを
してこなかったような気がします。
今回、ゼノウ一家が慶舎を攻撃中ですが、
劉冬・馬呈から包囲を受けている飛信隊も
絶体絶命な感じで、この危機を突破して欲しいです。
どうか飛信隊の主要な面々が戦死しないことと
離眼の民がひどい目に合わないことを祈ります。
by 無能な怠け者 (2016-03-11 22:26) 

NO NAME

マロンだけでなく同時に黒桜も突っ込んでくると予測する。紀彗がこのまま指くわえて慶舎がやられるのを見ているわけ無いから,紀彗vsゼノウになるんだろうね。魏火龍の時みたいに信の前にタナボタ慶舎がよろよろ,首スヒンってなったら残念です。

by NO NAME (2016-03-15 19:43) 

お名前(必須)

「先読みのシャア」さんって、
絶対あの人だよねっ!
「はじめて…」じゃないよねっ!!

お帰りなさい♪
〇○○さんっ(笑)(笑)

by お名前(必須) (2016-03-16 20:21) 

お名前(必須)

だって、友達だもんっ!
by お名前(必須) (2016-03-16 20:29) 

先読みのシャア

すいません、本当に初めてです。

ただのキングダムばかです(笑)

コメント貰えて嬉しいです。
これから、ちょくちょく、コメントして行こうかなって思ってますから、宜しくです。
by 先読みのシャア (2016-03-16 22:07) 

お名前(必須)

よろしくですっ!
みんなで楽しみましょうっ♪
by お名前(必須) (2016-03-17 11:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。